国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は11日、ロシアが占拠するウクライナ南部ザポロジエ原子力発電所について、攻撃をやめなければ戦争に極めて危険な段階をもたらす恐れがあると警告した。
ロシアとウクライナ双方の要請で、この日開催したIAEA理事会で述べた。
両国は原発への攻撃を巡って非難の応酬を繰り広げている。
7日のドローン(無人機)による攻撃では原子炉建屋が破損。2022年11月以来の深刻な被害となった。
グロッシ氏は「直近の攻撃により、戦争は極めて重大な局面に移った」と指摘。原発事故を防ぐため、攻撃しないことなどを含む原則を監視するIAEAの役割を全会一致で支持するよう理事会に訴えた。
ロシアのミハイル・ウリヤノフ在ウィーン国際機関常駐代表は、グロッシ氏がウクライナに攻撃の非があると指摘しなかったことを批判した。
ウクライナ側は声明で、偽情報を広めるロシアの活動の一環だとした。【ロイター】