ロシアの国営原子力企業「ロスアトム」は7日、ロシアが不法占拠するウクライナ南部ザポロジエ原発がウクライナ軍のドローン(無人機)攻撃を受け、原発従業員3人が負傷したと交流サイト(SNS)で主張した。同原発に大きな損傷はなく、周辺の放射線量に変化はないとしている。
同原発の監視のため職員を常駐させている国際原子力機関(IAEA)も7日、原発敷地内でドローンの爆発を確認したとSNSで発表。「原子力の安全を危険にさらす行動を慎むよう強く求める」とするグロッシ事務局長名義の声明を出した。IAEAはドローンの爆発にウクライナが関与していたかどうかには言及しなかった。
ロスアトムは、ドローンが原発6号機の屋根や原発敷地内の食堂付近、貨物搬出区域に命中したとした。
一方、ウクライナメディアによると、同国国防省情報総局高官のユソフ氏は7日、ウクライナは原発を攻撃しておらず、ドローン攻撃はロシア側による自作自演だと指摘した。
欧州最大級のザポロジエ原発は、露軍がウクライナ侵略開始直後の2022年3月に占拠。同年夏ごろから原発や周辺への砲撃が激化し、重大事故発生への懸念が高まった。ロシアとウクライナは原発への攻撃を互いに非難した。IAEAが職員を常駐させた同年9月以降、原発への攻撃の頻度は低下したが、IAEAは今月、原発周辺で軍事行動が再び活発化していると報告した。【産経新聞】