国土地理院は、能登半島地震による地殻変動について全地球測位システム(GPS)などで解析したところ、石川県輪島市が南西に最大約2メートル移動し、約1・3メートル隆起したとする結果を明らかにした。地殻変動が大規模なことから、同院は今後、能登半島で、道路測量や地図作成の基礎となる基準点を再測量する方針だ。
同院は今月2日、同市の別地点で西方向に最大約1・2メートルの変動が観測されたと発表した。その後、7日までに新たに得られたデータを再計算した結果、同市の別地点の変動が最大だったことが判明した。そのほか、同県 珠洲すず 市では南西へ約90センチ移動し、約90センチ隆起。穴水町では北西へ約90センチ移動し、約3センチ隆起していた。
同院の地球観測衛星「だいち2号」による解析でも、珠洲市から輪島市、志賀町にかけて、沿岸部の海底が総延長約85キロにわたって隆起して陸地となり、輪島市の地点では約4メートル隆起し、地震前より最大約200メートル海岸線が海にせり出したこともわかっている。
2016年の熊本地震では、水平方向に約1メートル、約20センチ隆起が見られた。同院の担当者は「単純比較で熊本地震の2倍なので、相当な規模の地震活動だったと言える」と指摘。「海岸線などの地形もかなり変化しており、基準点の再測量が必要になるだろう」としている。【読売新聞】