高浜原発1号機など関電の運転開始後40年超の原発3基は、立地する福井県の杉本達治知事が13日に、関電が示した使用済み核燃料対策の計画を容認したことで、来年以降も運転が続くことになった。全国では今後3年間で40年超運転が計7基となる可能性があり、老朽化がさらに進む。事故リスクが高い老朽原発の運転の是非を問う住民投票に向けた動きもあり、住民側の反発は強い。
再稼働済みの原発は関西、四国、九州の各電力の6原発12基。関電は7基のうち高浜1、2号機と美浜3号機の3基が40年超で、高浜3、4号機はいずれも38年が経過した。関電は4月、両基について40年を超えて運転するための運転延長の審査を原子力規制委員会に申請した。
3原発の使用済み核燃料を貯蔵するプールは8割前後が埋まっており、関電の予測では現状のままでは高浜が約4年後、大飯が6年弱、美浜が6年半で満杯となり運転できなくなる。それまでに県外の中間貯蔵施設などを準備できるかは分からない。
九州電力川内1、2号機(鹿児島県)は39年と37年が経過。いずれも運転延長の審査は議論がおおむね終了した。
しかし、反発する市民団体が今月4日、運転延長の賛否を問う住民投票の実施を県に請求。県は23日に県議会臨時会を開き、県民投票条例案を提案する。可決されれば、運転延長を巡る初めての住民投票となる。ただ、投票結果に法的拘束力はない上、運転延長に県の同意手続きもない。
市民団体が請求の際に集めた有効署名は約4万6000人分と必要な法定数の2倍近くに上り、住民の関心の高さが浮き彫りになった。【東京新聞】