東京電力柏崎刈羽原発の安全性について議論する新潟県技術委員会(座長=小原徹・東京工業大教授)が2日、新潟市内であり、東電社員が内部資料を許可なく持ち出して紛失した問題が取り上げられた。東電はこの社員のほかにも2人が無断で資料を持ち出していたことを報告。5月31日から原則持ち出し禁止にしたと説明した。
委員からは厳しい指摘が相次いだ。新潟大教授の豊島剛志委員は、問題が続いていることに「安全管理ができているのか疑問が大きくなる」と批判。原発プラント設計会社の浅田義浩委員は、社員が資料の持ち出しに許可を必要とするルールを知らなかったとされる点に言及し、「安全文化の劣化につながる」と指摘した。
東電側は「組織として恒久的な対策を考えていかなければならない」などと応じた。
継続となった原子力規制委員会の追加検査についても議論された。残る課題をクリアできる時期を問われ、東電側は「スケジュールありきではない。だが、できるだけ早く解決していきたい」と述べた。【朝日新聞】