関西電力が運転開始から40年を超えて運転させる方針の高浜原発3、4号機をめぐり、福井県は24日、関電の蒸気発生器を交換する方針を了承した。交換は、原子力規制委員会への運転期間の20年延長申請手続きと一体となって進めていたもので、関電は「準備が整い次第、申請する」としている。
1985年に運転を開始した3、4号機は2025年に40年を迎える。関電は伝熱管の損傷が見つかった蒸気発生器について、長期的な信頼性を確保するためとして交換する方針を決定。昨年11月、県との安全協定に基づいて事前了解を求めていた。
県は、原発の専門家からなる委員会にこの方針を諮ったところ、技術的な観点での異論はなかった。ただ、委員会の開催直前の今年1月末に4号機が自動停止するトラブルがあったことから、この対応に注力するよう求め、事前了解の回答を保留していた。
県の野路博之・安全環境部長は「想定の範囲を広げて点検すべきだ、との意見も委員会であった」と関電に伝えたうえで、顧客情報の不正閲覧などの問題について、「地元の信頼を大きく損なうものだ」と批判した。関電の水田仁・原子力事業本部長代理は「指摘を受け止め、安全確保に万全を期したい」などとした。【朝日新聞】