日本原子力発電(原電)の村松衛社長は11日の原子力規制委員会の会合で、審査資料の不備が相次ぐ敦賀原発2号機(福井県)について、8月末までに建屋直下の断層関連の申請内容を修正して再提出すると表明した。規制委が来週にも正式決定する行政指導に従う意向で、規制委は再申請まで審査を中断する。
会合の冒頭、村松社長は「資料作成の手順を見直したにもかかわらず、新たな誤りが出たことを社長として重く受けとめる。申し訳ない」と陳謝。「リーダーシップを発揮し、申請書の品質確保に取り組む」と述べた。
山中伸介委員長は「審査できない状態が4年近く続くことは非常に好ましくない。修正した申請書で、審査を続けられるかどうかを判断する」と指摘し、「これが最後というつもりで、しっかり臨んでいただきたい」と注文した。
会合後の記者会見で、山中委員長は「これ以上、審査ができない状態を長引かせることはない」と強調。修正された申請書に再び重大な誤りがあった場合、議論を打ち切って申請書に記載された内容を基に、許可か不許可を判断する方針をあらためて示した。
敦賀2号機の建屋直下には活断層がある可能性が指摘されており、審査で活断層と確定すれば廃炉は免れない。審査は、原電が説明資料の地質データを不適切に書き換えて2年以上中断。再開後にも地層の観察場所を間違えるなど、資料の誤りは1300カ所超に上っている。【東京新聞】