福島第一原発1号機では、原子炉から溶け落ちた「核燃料デブリ」などがたまっているとみられる格納容器内部の調査が行われています。
格納容器の底には水がたまっていることから、調査は水中ロボットを使って行われていて、29日は原子炉の真下にある「ペデスタル」と呼ばれる鉄筋コンリートでできた円筒形の土台部分の内側にロボットを入れ、撮影した画像を30日、公開しました。
底の部分を撮影した画像では、「核燃料デブリ」とみられる堆積物がごつごつとした固まり状になっている様子が捉えられているほか、堆積物に棒状の構造物が突きささっている状況が確認できます。
こうした状況は、29日に先に公開されたペデスタルの外側から撮影した画像でも確認されていて、東京電力は棒状の構造物は核燃料とともに原子炉から落下してきたものではないかとしています。
また、これまでの調査では、「ペデスタル」の一部でコンクリートが崩壊し、鉄筋がむき出しになっている様子が確認されていましたが、今回撮影された画像では、さらに複数の場所で鉄筋がむき出しになり、一部が変形している様子も確認されました。
東京電力は少なくとも半分程度の範囲が壊れているとしていて、耐震性に問題がないか、改めて分析するとしています。
東京電力福島第一廃炉推進カンパニーの小野明代表は1号機でのデブリとみられる堆積物の分布状況について、「確認できた範囲では比較的堆積物が平らになっているように見えて2号機や3号機と比べて状況が違うことがわかった。核燃料の溶け落ち方もこれまでの想定と違っている可能性もある。引き続き調査を行い、事故がどのように進展したか調べることや燃料デブリの取り出しに向けた分析をしっかり行いたい」と話していました。
また、「ペデスタル」と呼ばれる原子炉を支える円筒形の土台の少なくとも半分程度の範囲でコンクリートが壊れ、鉄筋がむき出しになっていることについて、「原子炉が落ちないよう支えることがペデスタルの役割なので、映像を詳しく確認するとともに今後も調査を続けて健全性についての評価を行いたい」と話していました。【NHK】