日本維新の会は3日、立憲民主党とのエネルギー政策に関する勉強会を凍結すると発表した。共同で提言の取りまとめを目指したが、原子力発電所の活用を巡って意見対立が解消しなかった。通常国会での「共闘」は低調で、両党間の隔たりの大きさが改めて浮き彫りとなっている。
維新の音喜多政調会長は同日、国会内で記者団に「破綻、破談とまでは言わないが、いったん凍結させていただく」と語った。
勉強会は、電気料金の抑制策を検討するため、2月7日に始まった。維新は提言に「原発の早期再稼働」を盛り込むよう要求したが、立民が拒否。音喜多氏は「立民は安全性が確認できたものは(再稼働を)否定しないと言いながら、ほぼ全否定」だと苦言を呈し、「原発ゼロ」を訴える党内左派への「 忖度そんたく 」が背景にあると批判した。
両党の共闘は昨年秋の臨時国会に比べて勢いを欠く。臨時国会では開会から3週間で5本の法案を共同提出したが、今国会は現時点でも、国会に登院しない議員の歳費削減法案など2法案にとどまる。
勉強会は憲法改正と安全保障についても実施することで合意していたが、いずれも原発以上に隔たりが大きく、開催のめども立っていない。維新内では「基本政策が異なる立民との連携はそもそも無理があった」との声が強まっている。
ただ、両党は「国会対策連絡会」を隔週で開くなど国会連携の枠組みを設けており、共闘自体は維持する方向だ。統一地方選を控え、勉強会「凍結」は、立民と距離があることを示すことで保守系の支持層に配慮する狙いがある。
立民側には提言を巡る駆け引きだとの見方もある。泉代表は3日の記者会見で「私から今コメントすることはない」と述べるにとどめた。
【読売新聞】