志賀原発の敷地内にある断層の問題。これまでの経緯をまとめました。
石川県志賀町赤住地区にある志賀原子力発電所。1号機と2号機が運転停止中です。問題点が指摘されたのは今から11年前のことです。
<専門家>
「S-1って書いてあるけれど、これは活断層そのものではないか」
「断層がずれて若い断層が変形した個人的にはその(活断層の)可能性が高いと思う」
1号機の真下を通るSー1断層について専門家から「活断層ではないか」という意見が相次いだのです。
原発の重要設備の下に活断層があれば廃炉を余儀なくされます。このため北陸電力は岩盤を直接掘るなど調査を重ね、こう訴えました。
北陸電力 金井豊原子力本部長(当時):
「Sー1は将来活動する可能性のある断層ではないと判断しております」
しかし…。
(当時のリポート)
「志賀原発を再稼動するかどうかの重要な知見となる評価書、まもなく規制委員会に報告されます」
国は2016年、専門家がSー1断層を活断層だと評価した評価書を了承し、「活断層だと解釈することが合理的」と判断しました。
一方、北陸電力は志賀2号機の再稼働に向けて国に安全審査を申請しました。そして2020年、国は志賀原発の敷地内にある10本の断層を活断層かどうか評価すると決めました。
(当時のリポート)
「今調査団のメンバーが志賀原発の敷地内に実際に掘られた地層を目で見て確認しています。再稼動を目指す北陸電力にとって重要な節目となる現地調査がはじまりました」
北陸電力は新たな調査方法を用い活断層ではないという証拠を積み上げました。現地調査をした委員からは…。
石渡明委員:
「印象としてかなり違う部分があった。百聞は一見にしかず、公開の審査会合の場でおいおい明らかにしていきたい。それについては議論をして白黒つけたい」
その後、去年10月にも再び現地調査を実施した原子力規制委員会。3日の審査会合で志賀原発の敷地内にある断層は活断層ではないと結論づけ、再稼働に向けてスタートラインに立ちました。【石川テレビ】