フランスなど欧州連合(EU)の11カ国が2月28日、スウェーデンで開かれたEU環境相会合で、温室効果ガスの排出削減に向けて原発の積極活用を提言する共同声明を発表した。ロシア軍によるウクライナ侵攻後のエネルギー危機でドイツなど脱原発国が排出削減に苦しむ中、「原発連合」として結束し影響力を高める狙いがあるとみられる。
欧州最多56基の原発を抱えるフランスが主導し、ブルガリア、クロアチア、ハンガリー、フィンランド、オランダ、ポーランド、チェコ、ルーマニア、スロバキア、スロベニアが連合体に加わった。共同声明では、11カ国は職員研修や産業施策を共同立案するため、各国の原子力部門の連携を強化する。
AFP通信によると、主導役のパニエリュナシェ仏エネルギー移行相は「原子力は欧州の電力生産の25%を占め、風力や太陽光より二酸化炭素(CO2)の排出量が少ない」と強調した。この11カ国は昨年、脱炭素事業で民間資金が得やすくなるEUの「グリーン認定制度」に原発を含める提案でも連携していた。