東京電力・柏崎刈羽原子力発電所でテロ対策上の重大な不備が相次いで見つかったことを受け、原子力規制委員会は2日、会社側の計画に沿って改善が図られているか確かめるため、現場を視察しました。
柏崎刈羽原発では去年、テロ対策上の重大な不備が相次いで見つかり、原子力規制委員会が核燃料の移動を禁止する是正措置の行政処分を出したため再稼働できない状態となっています。
2日は原子力規制委員会の委員2人が、東京電力の計画に沿って改善が図られているか確かめるため、現場を視察し、はじめに東京電力の社員が他人のIDカードを使って中央制御室に不正に入った問題を受けて導入された生体認証システムの状況について説明を受けました。
また、テロリストなどの侵入者を検知するセンサーについても説明を受け、この中で東京電力の担当者は、センサーが小動物などにも反応したことから機器の交換など必要な対策を順次、進めていると説明しました。
委員たちはこのほか、原発の敷地内の立ち入り制限区域の範囲の見直しに伴う作業が今後、行われる場所などを見て回りました。
原子力規制委員会の伴信彦委員は柏崎刈羽原発の視察を終えたあと取材に応じ、「以前よりはよくなっている」と述べる一方、現段階の評価について言及を避けました。
この中で、伴委員は、「少なくとも昔よりあいさつがしっかり行われるようになるなど当たり前のことが当たり前に行われるようになってきたという印象は受けた。以前よりはよくなっている」と述べました。
一方、「全体的な評価はこれから先であり、まだ何も決まっていない。いつどの時点で評価するということは申し上げられない」と述べ、現段階の評価について言及を避けました。【NHK】