関西電力美浜原発(福井県美浜町)の事故を想定した国の原子力総合防災訓練は最終日の六日、原発から三十キロ圏内にある福井、滋賀、岐阜の三県の住民による広域避難などを行った。道路の寸断で孤立した地域の住民を第八管区海上保安本部のヘリコプターと大型巡視船でピストン輸送する訓練は、ヘリの不具合を理由に中止された。
福井県嶺南地方を震源とする震度6弱の地震で、美浜3号機が外部電源を喪失し、原子炉の冷却機能を失う事故が起きたとの想定。約百五十の関係機関や三県の住民ら約九千二百人が参加した。
福井県は、新型コロナウイルス禍で見合わせていた県外避難を三年ぶりに実施。参加者はバスや自家用車で移動し、滋賀県長浜市の北陸自動車道賤ケ岳サービスエリアなどで放射性物質が付着していないかを調べるスクリーニングや除染をした後、兵庫、奈良、石川各県の避難先に向かった。
滋賀県では高島、長浜の二市の住民が避難所に足を運び、大津市では広域避難した高島市民の受け入れを訓練。岐阜県では揖斐川町民が屋内退避や避難所への避難を実践した。【中日新聞】