北海道電力泊原子力発電所で重大な事故が起きたことを想定した大規模な訓練が道内各地の市町村で行われ、7000人を超える住民が参加して避難の手順などを確認しました。
この訓練は毎年行われていて、ことしは、最大で震度6強の地震が発生し泊原子力発電所の3号機の原子炉の冷却ができなくなったという事故を想定して、後志地方の15の市町村と札幌市で行われました。
ことしはおよそ7300人の住民が参加し、去年は新型コロナの影響で行われなかった住民が実際に避難する訓練も2年ぶりに行われました。
このうち余市町では、放射性物質が放出された影響で避難の指示が一部の地区に出たという想定の訓練が行われ、町の職員が住民に対して、避難先となる札幌市内までの移動手段や、「安定ヨウ素剤」の服用にあたっての注意点を説明しました。
また、住民として外国人も参加し、余市町の会場と札幌市にある道庁をテレビ会議のシステムでつないで外国語での質問に答える訓練も行われました。
余市町ではこのほか、自衛隊や医療関係者が避難するバスや住民に対して行う放射性物質の除染作業の手順の確認も行われました。
余市町地域共同推進課の小坂尚平主事は「今回の訓練ではスムーズに対応できていない点もあったので、今後の訓練で改善していきたい」と話していました。【NHK】