東京電力福島第1原発事故の避難者らが国と東電に損害賠償を求めた福島(生業(なりわい))など4件の集団訴訟で、最高裁が国の賠償責任を認めない判決を出したことを受け、福島訴訟の弁護団は21日、福島市で開いた報告集会で、最高裁の判断を覆せる余地があるとして、福島地裁に追加提訴する方針を示した。早ければ9月にも提訴するとみられる。
福島訴訟は全国で約30件ある同種訴訟の中で原告数が最大規模。最高裁判決が出た第1陣約3500人のほか、第2陣として原告約1150人が国と東電に損害賠償を求めて福島地裁で係争中だ。追加提訴については原告を募っている段階で、計1万人の原告を目指しているという。
報告集会で福島訴訟の中島孝原告団長は「最高裁の判断を第2陣でひっくり返す闘いにしたい」と述べた。弁護団の馬奈木(まなぎ)厳太郎(いずたろう)弁護士らが判決内容や今後の取り組みなどについて説明した。
最高裁が17日言い渡した判決では、「仮に国が東電に必要な措置を命じていたとしても事故は避けられなかった可能性が高い」と判断し、国に責任はなかったと結論づけた。【福島民友新聞】