茨城県東海村にある首都圏唯一の原発、東海第二原子力発電所で新しい規制基準に基づいて進められている、津波などの災害や重大事故への対策工事の現場が報道機関に公開されました。
日本原子力発電は、新しい規制基準に基づいて、東海第二原発の再稼働に必要な防潮堤の建設などの対策工事を、9年前からおよそ1700億円をかけて進めています。
3日は、いまの現場の状況が報道機関に公開されました。
このうち、最大で17メートルあまりの津波を想定した全長1.7キロにわたる防潮堤の建設現場では、海抜20メートルの高さに達する鋼鉄製の管状のくいが地下の岩盤まで打ち込まれ、地上からは海が見えない状態になっていました。
これまでに全体の4割あまりにあたるおよそ700メートルで、計画の高さまでくいが打ち終わり、今後は、鉄筋コンクリートの壁でくいを覆う作業も進められるということです。
また、原子炉の冷却などに必要な非常用電源が失われた場合に使う高圧電源装置や、重大事故の際に対策本部が入る高台の緊急時対策所について、それぞれの設置場所の基礎工事の現場などが公開されました。
工事をめぐって、日本原電はこれまで2度にわたり完成時期の先延ばしを発表していて、現時点での完成の予定時期は再来年9月としています。
このほか、テロ対策に必要な施設の工事も同じ時期に完了させるとしています。
日本原電東海事業本部の村部良和本部長は、「工期を延長したが、地元のかたには実際に現場を見てもらうなどして理解を深めてもらいたいと考えている。今後も、安全を最優先にして工事を着実に進めていきたい」と話していました。【NHK】