国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は16日、18~20日の日程で訪日すると発表した。19日には東京電力福島第1原発を訪問し、廃炉に向けたインフラ整備状況を確認し、第1原発の処理水を海洋に放出することへの地元の懸念なども聞き取る予定だ。
日本政府は昨年4月、2023年春に処理水の海洋放出を始める方針を決定した。韓国や中国は放出に反発しており、風評を未然に防ぐ観点からIAEAに安全性の検証を依頼した。グロッシ氏は今回の訪日で、放出を目指す過程について「日本政府と共に進捗(しんちょく)状況を評価する」としている。
IAEAは今年4月、放出の安全性を検証する最初の報告書で「放射線の影響は、日本の規制当局が定める水準より大幅に小さいことが確認された」と指摘。ただ、安全性への最終的な判断は示さず、調査を続けた上で放出前に包括的な報告書を発表するとしている。
グロッシ氏の日本への公式訪問は事務局長就任後2回目となる。
【毎日新聞】