北海道電力・泊原子力発電所が運転を停止してから、5日で10年となります。原子力規制委員会の審査が続いているものの、会社側の人材不足などから地震や津波などの影響評価が遅れ、再稼働の見通しは依然として立っていません。
北海道電力・泊原子力発電所は、10年前の2012年5月5日、定期点検で3号機が停止し、その後、運転していません。
2013年、北電は関西・四国・九州の各電力会社の5原発とともに全国で初めて再稼働に向けた審査を原子力規制委員会に申請しましたが、泊原発のみ、依然、審査が続いています。
長期化の一因となったのは敷地内の断層が「活断層」かどうかの評価で、去年7月、この断層は「活断層ではない」という結論が出され、審査は一定の進展を見せました。
しかし、その後も会社側の人材不足などから地震、津波、それに火山の影響評価が遅れ、先月には、原子力規制委員会の更田豊志委員長から「審査に必要な人材拡充への投資を惜しまないでもらいたい」と指摘される、異例の事態となっています。
北電の藤井裕社長は、10年にわたって運転停止が続いていることについて、「原発の停止後、火力発電のための燃料費と他社からの電力の調達費用が急増し、電気料金を2度値上げしたことを利用者にお詫び申し上げる」と陳謝した上で、専門的な人材を採用し、審査への対応を強化する考えを示しました。
今後、審査のペースが上がり、再稼働に向けた道筋が見え始めるかどうかは、北電の対応がカギを握っています。【NHK】