東京電力は18日、原子力規制委員会による福島第一原発の事故収束状況の検討会で、1、2号機間にある高濃度の放射性物質で汚染された配管の撤去について、作業完了の目標時期を「2022年度上期(4~9月)」に変更したことを公表した。これまでは「21年度中」だった。撤去範囲は、1、2号機廃棄物処理建屋の雨水流入対策や1号機の大型カバー設置工事に干渉する部分。
撤去作業は2月24日に始まったが、切断装置の不具合が相次いで全く進んでいない。大型クレーンでつり上げて使う切断装置や工法がそもそも適切なのかの検討が続いており、作業再開の時期は見通せない。
撤去する配管は事故直後、原子炉格納容器の破裂を防ぐために炉内の汚染状況を放出する排気(ベント)で使われた。直径30センチで1号機側が65メートル、2号機側は70メートル。現行の計画では配管を26分割に切断して、撤去する。排気筒との接続部の表面線量は毎時4シーベルトと、人が数時間とどまれた確実に死ぬほどの高線量で汚染されている。このため作業は全て遠隔で実施する。【東京新聞】