北海道電力が再稼働を目指す泊原子力発電所3号機の審査が長期化していることを受けて、原子力規制委員会が臨時の会合を開き、更田豊志委員長は「審査に必要な人材拡充への投資を惜しまないでもらいたい」と北海道電力の対応に苦言を呈しました。
北海道電力は、泊原発3号機の審査について9年前に申請しましたが、同じ時期に審査が始まった関西・四国・九州の各電力会社の5原発が再稼働した一方、現在も自然災害への対策などで審査が続いています。
規制委員会は12日、臨時の会合を開いて北海道電力の経営層と意見交換し、更田委員長は「専門的な議論に応じられる人材の不足が決定的に審査に影響している。必要な人材拡充への投資を惜しまないでもらいたい」と苦言を呈しました。
また、委員からは資料が更新されていないことや情報共有や説明が足りないなど指摘が相次ぎました。
出席した北海道電力の藤井裕社長は「情報共有が十分でなく、判断の遅さを猛省している」と述べたうえで、専門人材の確保や最新の知見を反映するなど審査の効率化に取り組む考えを示しました。
長期にわたる審査をめぐって規制委員会が電力会社に論点をリスト化して提示するなど、効率化を求めるのは異例です。【NHK】