再稼働や運転再開を目指している国内の原子力発電所のうち3つの原発でテロ対策設備や安全対策の工事が当初の完了予定に間に合わないとして、電力会社が日程の見直しなどを相次いで発表しました。
発表があったのは
▽宮城県の女川原発2号機
▽佐賀県の玄海原発3・4号機
▽福井県の高浜原発3号機の3原発4基で
いずれも再稼働の前提となる審査に合格しています。
女川原発2号機
このうち女川原発2号機について東北電力は来年度中の完了を予定していた再稼働に必要な安全対策工事が間に合わないとして、来年11月に延期したうえで再来年2月に再稼働させる方針を示しました。
玄海原発3・4号機
また再稼働を果たしている玄海原発3・4号機について九州電力は建設中のテロ対策施設の完成が、原発の新しい規制基準で定めた5年以内という期限に間に合わず定期検査期間を延長するなどして、工事を続けることを明らかにしました。
当初はことし8月に完成する予定でしたが、建設現場で相次いだ火事や事故が遅れの理由としていて、ことし9月に運転を停止したあと運転再開は3号機が来年1月、4号機が来年2月にそれぞれずれ込む見通しです。
高浜原発
このほか高浜原発では定期検査中の3号機でタービンを回すための「蒸気発生器」の配管のうち4本が削れて薄くなっていたことが分かりました。
関西電力は原子力規制庁に報告し今後詳しく調査する予定ですが、この影響でことし5月中旬の運転再開は見通しがつかない状況です。【NHK】