中国電力島根原発2号機(松江市)の再稼働について、鳥取県米子市の伊木隆司市長は18日、市議会全員協議会で再稼働に条件付きで同意することを明らかにした。全員協議会で議員らも再稼働についての意見を表明し、賛成が多数を占めた。
伊木市長は全員協議会で、福島第一原発事故後の新規制基準が安全対策に反映されていることを確認し、国の原子力規制委員会の適合性審査合格後の中国電力の回答が適切だったと指摘。審査内容について県の原子力安全顧問から、安全対策に有効性があると確認したとの説明があったとした。また、中国電との安全協定の改定については市民の安全を守るために十分だったことや、避難計画についても現時点の対策を見直して実効性を高めることに触れた。
その上で、中国電に対して同意の条件として、今後も安全性を第一に最新の知見を安全対策に反映させることや、今後の原子力規制委員会の工事計画の認可などに適切に対応するよう要請。市の防災対策に誠意をもって協力することや安全文化の醸成に取り組むことも挙げた。
議員側からは蒼生(そうせい)会(8人)と政英会(2人)、公明党議員団(4人)と1議員が個人の立場で賛成し、議長を除く25人の過半数になった。
賛成意見では、「安全性優先だが、現実的対応として原子力を含めたエネルギーミックスをするべきだ」「安全協定について同意するとともに、確定的な履行を求めたい」などの意見があった。
一方、反対意見では「周辺市の住民投票条例案はいずれも否決され、市民の賛成は得られていない」「時期尚早で、なぜ今、市の意見を確定させなければならないのか」との意見が出た。【朝日新聞】