原発のない土地に住み、原発問題に意識を向けることなく暮らしてきた。原発新設に反対し闘う住民と接し、東京電力福島第一原発事故も経て、遠く離れた人も「当事者になるべき」と、原発を止めるための訴訟を名古屋で闘う人がいる。
裁判で国は「原発から離れた場所に住む原告には損害が生じない」として、原告の一部について、そもそも裁判を起こす資格(原告適格)がないと主張している。
「原発を地元だけの問題にしてはいけない」
高浜原発から約130キロ離れた名古屋市に住む原告の草地妙子さん(43)はそう話す。
15年ほど前に夫の転勤で住んだ山口県で、中国電力上関原発の建設反対運動をする地元漁師たちと接した。こんな問題が起きていることを初めて知った。そして、福島第一原発事故が起きた。
原発はない方がいいと思って…【朝日新聞】