日本原子力発電東海第二原発(東海村)の重大事故に備えた広域避難計画の策定に関して村議会に提出された請願二件を巡り、村民の大名章文(おおなあきふみ)さん(66)らが二十七日、県庁で記者会見し、議会の多数を占める保守系会派「新政とうかい」が審議の早期終了を求めていることに「強引な議会運営だ」と抗議した。
請願は、避難計画の速やかな策定を促す意見書の山田修村長らへの提出を求めるものと、策定には慎重を期すよう村長に求めるもの。飛田静幸議長(新政とうかい)を除く全議員で構成する原子力問題調査特別委員会に付託されている。
昨年十二月十七日の特別委で、新政とうかいは「これ以上の調査は必要ない」と審議終了を要求。一方、公明党や共産党や無所属の議員は「再稼働も認めることになる」「せかして作るものではない」などとして継続を訴えた。
特別委を傍聴した大名さんら二十人は十九日、議員らの議論が錯綜(さくそう)していたとして、分かりやすい説明を求める質問状を鈴木曻委員長(新政とうかい)に提出したが、期日の二十六日までに回答はなかったという。大名さんは「議会の対応としてそれで良いのか」と疑問を呈した。
議会事務局は「委員長に渡したが、今後の対応は分からない」と説明した。次回の特別委は二月一日に開かれる。【東京新聞】