四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)で重大事故時に備え待機する宿直者が無断外出した保安規定違反を受け、再稼働を延期している3号機について、伊方町の高門清彦町長が5日、県庁で中村時広知事と面会し、四電の再発防止策などを妥当と判断し、町として運転再開を認める考えを示した。中村知事は「最も重要視しなければならない立地地域の意見がとりまとめられたことは重く受け止めたい」と述べ、今後の県議会での議論も踏まえ、県としての最終判断をするとした。
2019年12月に定期検査入りした3号機は昨年1月に相次いだ重大トラブルや保安規定違反の判明で長期停止が続いている。四電は再発防止策への県と町の理解を得た上で、再稼働を目指す考えを示している。
高門町長は町環境監視委員会の審議や原発の現地視察の結果、保安規定違反について「同様の事象を未然防止する仕組みの強化やコンプライアンス意識の徹底が図られていると認められることなどを評価した」と説明。連続トラブルに関しても再発防止策や速やかに実施すべき要請事項への対応は完了しているとした。
一方で四電には、技術力の維持向上▽一層の安全文化醸成と町民への丁寧な説明▽決して事故を起こさない強い決意で安全運転に細心の注意を心がけること―の3点を要請すると述べた。【愛媛新聞】