新潟県の東京電力柏崎刈羽原発6号機の消火配管で30カ所の不適切な溶接工事が見つかった問題で、同原発の石井武生所長は12日の定例記者会見で、東電社員は当該の溶接工事に立ち会わず、施工記録を確認しただけだったことを明らかにした。立ち会いを含めた現場の確認は原則、東電側から直接、工事を受注した元請け業者が行ったと説明した。
この問題は、下請け業者が溶接工事で必要な手順を踏まなかったにもかかわらず、手順通りに実施したと虚偽報告し、東電がこれを見逃していた。東電への匿名の申告で発覚した。
石井所長は、工事には元請け業者が必要に応じて立ち会っているとして「私どもはその記録を確認するのが現場管理で定められている役割だ」と説明した。
今回の不適切工事に元請け業者が立ち会っていたかどうかは「これから確認していきたい。ずっと張り付いているわけではないと思う」と述べた。
一方、石井所長は新型コロナウイルスの感染対策として、お盆の帰省などで社員が県外に出る場合、抗原検査キットを配布し、陰性を確認してから県内に入るよう指示したことを明らかにした。石井所長は「基本的には県外との往来を自粛することが前提だ。対象人数の想定はしていない」とした。【新潟日報】