東京電力は福島第一原子力発電所の1号機と3号機で、溶け落ちた核燃料を冷やすために水を入れている格納容器内部の水位が低下していると発表しました。
格納容器の壊れた部分が、今月13日の地震で広がり、漏れ出る水の量が増えた可能性があるということですが、モニタリングポストの値などに目立った変化は見られず、外部への影響はないとしています。
東京電力によりますと、18日午後11時ごろに1号機の格納容器で、溶け落ちた核燃料を冷やすために入れている水の水位が、低下していることが確認されました。
東京電力がデータを確認したところ、1号機では今月15日から、3号機では17日から、水位の低下傾向が続いていることがわかったということです。
1号機では40センチから70センチ、3号機では30センチ程度低下しているとみられるということです。
ただ、原子炉の底に取り付けた温度計では、温度の上昇が見られないことや格納容器内の放射能レベルに目立った変化がないこと、それに、敷地境界に設置したモニタリングポストの値にも異常が見られないことから、核燃料の冷却に問題はなく、外部への影響はないと判断しているとしています。
格納容器は原発事故の際に壊れていて、注水している冷却水は、ふだんから一定の量が漏れ出ていますが、今月13日の地震で損傷部分が広がり、漏れ出る量が増えた可能性があるということです。
福島第一原発のある大熊町と双葉町では、震度6弱の揺れを観測していました。
東京電力は、このまま水位の低下傾向が続く場合は、現在1時間あたり3立方メートルとしている注水量を、増やすことも検討しているということです。【NHK】