原子力規制委員会は16日、大阪地裁による関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の設置許可取り消し判決を踏まえて、地震評価に関する見解文をまとめた。大飯原発の基準地震動を巡る規制委の安全審査について「各種の不確かさを十分に反映した地震動評価を行っていることを確認している」と強調した。
4日の判決では、地震規模を算出する経験式に基づく基準地震動評価を巡る規制委の判断について「地震規模の数値を上乗せする必要があるかどうか検討していない」と指摘していた。規制委は見解文で15㌔㍍離れている断層が連動して動く評価をしたことなどから「十分に保守的なものとなっている」と反論した。
判決について規制委の更田豊志委員長は「(大飯原発の安全審査に)過誤も欠落もなく判断に自信を持っている」との立場で、国は近く控訴する方針だ。ただ、規制委は今回の裁判で争点となった原発の安全審査で使う指針「地震動審査ガイド」について、分かりにくい部分があるとして、表現の見直しを検討する。【日本経済新聞】