運転開始から40年を超えた関西電力美浜原子力発電所3号機を巡り、立地する福井県の美浜町議会は15日、本会議を開き、再稼働を求める請願を賛成多数で採択した。事実上、町議会の同意が得られた。16日に国に対して防災や地域振興策を求める要望書を提出。国からの回答を受け、週内にも全員協議会で再度意見をとりまとめ、町議会としての同意を正式表明する見通し。
同県の高浜町議会は11月に高浜原発1、2号機の再稼働に同意しており、関電が県内で再稼働を計画している40年超の原発すべてについて町議会が同意したことになる。今後は両町長、県議会、知事の同意を得られるかが焦点になる。
本会議での採択を受け、美浜町の戸嶋秀樹町長は「1つの大きなステップを上がったかなと思う」と話した。
関電は美浜3号機を2021年1月、高浜1号機を同3月、高浜2号機を同5月に再稼働する工程を示している。福井県の杉本達治知事は使用済み核燃料の中間貯蔵施設の県外候補地を、関電が年内に提示することを同意の前提としている。開会中の福井県議会でも同意の議論は進んでおらず、再稼働時期については不透明な状況が続く。【日本経済新聞】