日本原子力発電は15日、東海第2原子力発電所(茨城県東海村)の新規制基準に基づく安全性向上に向けた対策工事の現場を報道陣に公開した。防潮堤の建設や緊急時に電源を供給する高圧電源装置の設置をはじめ数十にわたる様々な工事が行われている。1日あたり平均1400人以上の作業員が工事にあたっており、ピーク時にはさらに増えるという。
防潮堤の建設現場では、最大で17メートルと想定されている津波から原発を守るため、クレーンを使って基礎となる鋼管杭を地表から60メートルの深さの岩盤に打ち込む作業が進められていた。完成時に地表からの高さは最大20メートルになるという。
高圧電源装置の設置現場では、地下部分の掘削作業が進められていた。村部良和東海事業本部長は「生の現場を見てもらうのが、理解をしてもらうのに一番だと思った」と話す。
同原発は2018年に原子力規制委員会による再稼働に向けた一連の安全審査に合格した。安全対策工事は22年末に完了するとし、関連費用は1740億円を見込んでいる。【日本経済新聞】