青森県むつ市に東京電力と日本原子力発電が建設中の中間貯蔵施設は、原発の貯蔵プールにたまり続ける使用済み核燃料を一時的に保管する施設で、容量は最大5000トンあり来年度中の操業開始を見込んでいます。
現在、保管の対象は2社の使用済み核燃料ですが、大手電力会社で作る電気事業連合会などは経済産業省と調整しながら、他の電力会社も共同で利用ができないか、検討をしていることがわかりました。
全国の原発の貯蔵プールの容量は廃炉になる福島県内の原発を含めて2万1400トンありますが、およそ75%にあたる1万6060トンがすでに埋まっていて、一時的に保管する場所の確保が各電力会社の課題となっています。
ただし、青森県の施設を2社以外の電力会社が利用するには、青森県やむつ市など地元の理解が必要で、今後の調整の手続きが必要になります。
中間貯蔵施設を巡っては、関西電力が福井県から使用済み核燃料を搬出する候補地を、年末までに提示するよう求められていて、今回の動きはこうした事情を考慮したものとみられます。
関西電力など電力各社の原発の貯蔵プールには、使用済み核燃料がたまり続ける状態になっています。
廃炉になる福島県内の原発を含めて、全国の原発の貯蔵プールの容量は合わせて2万1400トンありますが、電気事業連合会のことし9月時点の集計では、およそ75%にあたる1万6060トンがすでに埋まっています。
電力各社は使用済み核燃料を青森県六ヶ所村にある再処理工場に運び、処理する予定ですが、工場はトラブルや不祥事で完成時期の延期が繰り返され、現在の完成予定は再来年度上期となっていて、まだ処理はできない状況です。
原発の貯蔵プールがいっぱいになると原子炉から燃料を取り出せなくなり、運転の継続ができなくなります。
このため一定の期間にわたって冷却された使用済み核燃料をプールから取り出し、金属製の容器に入れて一時保管する新たな施設「中間貯蔵施設」が必要になりました。
ただ、すでに青森県むつ市で建設中の中間貯蔵施設は、東京電力と日本原子力発電の使用済み核燃料が対象です。
この2社以外の電力会社でも貯蔵施設の確保に動いていますが、福島の原発事故後すでに原発が再稼働している関西電力、九州電力、そして四国電力は問題がより切実です。
関西電力は東京電力などと同様に原発が立地する福井県以外の場所に中間貯蔵施設をつくる方針で、今月中に候補地を示すとしていました。
これについて福井県知事も原発の再稼働に同意する前提となるとして、候補地の提示を月内に求めていました。
また、九州電力と四国電力は当面、原発の敷地内に保管場所を増設するなどして対応する方針です。【NHK】