運転開始から40年を超えた関西電力美浜原発3号機を巡り、立地する福井県美浜町議会の原子力発電所特別委員会は9日、再稼働を求める請願を賛成多数で採択した。町議会の再稼働同意に前向きな姿勢が示された形となる。15日の本会議で請願を改めて審査し、採択するかどうかを最終決定した後、議会としての正式な意向をまとめる。
特別委は、町議14人のうちの7人で構成。請願は、地元商工会や観光協会が連名で提出した再稼働を求める2件。また、町外の市民団体や個人が提出した再稼働に反対したり慎重な判断を求めたりする10件も審査したが、全て不採択とした。
再稼働を求める請願の議論では「火力発電を減らす中、電力供給を担うのは原子力だ」「町の経済面からも賛成」との意見の一方「原発に頼らない町づくりをするべきだ」との声も出た。採決は2件とも、委員長を除き、賛成5人、反対1人だった。
再稼働には町と県の各議会と首長の同意を取り付けるのが通例。関電は40年を超える美浜3号機を来年1月にも、高浜原発1、2号機(福井県高浜町)を来年前半にも再稼働させる工程を提示しており、高浜町議会は既に同意している。【共同通信】