関西電力は7日、営業運転中の高浜原子力発電所4号機(福井県高浜町)を停止させた。8日に設置期限を迎えるテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」(特重施設)が完成していないため。未完成を理由に停止するのは関電では初めてで、全国では九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)に続き3例目。
関電では定期検査で停止していた高浜3号機が既に設置期限を迎えている。特重施設は3、4号機とも12月に完成予定で、3号機は12月、4号機は来年1月の起動を目指している。
福井県おおい町の関電大飯原発4号機が11月3日に定期検査で停止すると、運転中の関電の原発がゼロになる可能性がある。
特重施設は新規制基準で新たに設置が義務付けられた。原子炉建屋が航空機の衝突などテロ攻撃を受けた際に重大事故を防ぐのが目的で、建屋から100メートル程度離れた場所に、緊急用の制御室や電源設備などを設ける。
原発本体の工事計画認可後5年以内に設置が求められているが、原発敷地内で作業事故が相次ぎ工事を中断した影響などで、期限までに完成しなかった。【共同通信】