定期検査中の福井県にある大飯原子力発電所3号機で原子炉を冷やす水が流れる配管の内側に深さおよそ4ミリの亀裂が見つかり、原子力規制委員会は亀裂は大きくはないものの、まれなケースだとして、11日、関西電力を呼んで検証のための会合を開催しました。
定期検査で運転を停止している大飯原発3号機では先月31日、原子炉を冷やす放射性物質を含む水が流れる配管の内側に深さ4.6ミリ、長さ67ミリの亀裂が見つかり、関西電力は現状では安全性に問題はないとの評価結果をまとめて、原子力規制委員会に報告していました。
これについて規制委員会は、亀裂が発生した配管は流れる水の酸素量が少なく、腐食が発生しにくい場所で、亀裂はまれだとして11日、検証のための会合を開きました。
この中で、関西電力の担当者はステンレス製の配管の表面を加工した影響などで亀裂が起きやすくなる「応力腐食割れ」と推定されると説明しました。
これに対し原子力規制庁の担当者からは亀裂の評価に関するデータの確認などを求め、関西電力は次回の会合で説明すると答えていました。
関西電力は、規制委員会の理解が得られるまで、大飯原発3号機の原子炉に核燃料を入れないとして、今月下旬に予定していた再稼働の時期は遅れる見通しです。【NHK】