県は二十一日、関西電力大飯原発(おおい町)、高浜原発(高浜町)の同時事故を想定して二十七日に嶺南で実施する県原子力防災訓練の概要を発表した。原発事故の訓練として、全国で初めて新型コロナウイルスの感染防止を取り入れ、住民の広域避難を行う。参加住民はおおい町内の約五十人に限り、うち約三十人が敦賀市へのバス避難を体験する。
コロナ感染防止と住民避難も
今年はコロナ感染の恐れがあるため、県では参加する住民数を昨年八月の前回訓練(関西電力美浜原発での事故想定)の約千人から大幅に減らすことにした。県、内閣府、自衛隊、嶺南二市四町、警察など約四十機関の職員約三百人も現地対策本部の運営訓練などを展開する。
今回の訓練のポイントは、住民避難の中でコロナの感染防止も図ること。県と内閣府は七月に改定した、大飯、高浜両原発の同時事故に備えた広域避難計画(緊急時対応)にコロナ対策も盛り込んでおり、その実効性を検証する。
住民避難訓練では、大飯原発に近いおおい町大島地区の住民ら約五十人が、町内の一時集合施設に向かう。【中日新聞】