東北電力が再稼働を目指している女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の自然災害や重大事故への安全対策を確認するため、村井嘉浩知事と石巻市長、女川町長は6日、同原発を現地視察した。3首長は今後、再稼働の同意の可否を判断することになるが、判断の時期についてはいずれも「未定」を強調した。 この日の現地視察は、東京電力福島第1原発事故を教訓とした新規制基準への対応や、重大事故が発生した際の安全対策を確認することが目的。村井知事のほか、石巻市の亀山紘市長、女川町の須田善明町長が参加した。 東北電の樋口康二郎社長は3首長に対し「安全対策に終わりはないという使命のもと、今後も全社をあげて対策を積み重ね、地域の信頼を得たい」と述べた後、3首長は原子炉建屋内にある原子炉格納容器の破損を防止する排気設備などや防潮堤を視察した。 視察後、3首長は東北電の安全対策について「対策がしっかり行われている」と評価したが、村井知事は「原子力エネルギーが存在する限り、(事故など)何かが起これば、迅速に正確な情報を発信することが重要だ」と東北電側に求めた。 女川2号機をめぐっては、今年2月に原子力規制委員会の審査に合格。7月には安全性を検証する有識者検討会が報告書を村井知事に提出している。今月1日からは原発から30キロ圏内の住民を対象に説明会が始まっている。
【産経新聞】