福島県内に出ている原発事故による避難指示に関し、放射線量が減少し、住民が居住しないなどの要件を満たす区域では除染作業などをしなくても解除ができる仕組みを国が検討していることについて、原子力規制委員会は具体的な被ばく対策の検討を国に求めました。
福島県内の「帰還困難区域」に出ている避難指示をめぐり、国は年間の放射線量が自然に減少して20ミリシーベルト以下になっている場所で、住民が居住しないことなどの要件を満たす区域については土砂を取り除くといった除染作業などを行わなくても、避難指示を解除する仕組みができないか検討しています。
これについて1日、原子力規制委員会の会合で、内閣府の担当者が飯舘村などから公園の設置など幅広く土地を活用するために、解除の仕組みの見直しについて要望が出ていることや、事故から9年余りがたち自然に放射線量が減っている場所が多くあることなどが報告されました。
これについて、委員からは「除染作業は手段でしかない。住民の安全や健康が守られるかが大事であり、そのあたりを慎重に検討すべきだ」との意見が出されました。そのうえで、具体的な被ばく対策の検討を国に求めました。
内閣府では、今後、対策をまとめて規制委員会に示す考えです。
この見直しについて福島県の内堀知事は、除染実施が原則だとする一方、別のやり方を望む地域では除染をせずに解除をする例外もありうるとする考えを示しています。【NHK】