関西電力は27日、定期検査中の高浜原発3号機(福井県高浜町)で、プルサーマル発電で使用したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の取り出しを始めた。本格的なプルサーマル発電でMOX燃料を取り出すのは今月中旬の四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)に続き全国2例目。初日は2体を取り出し、29日までに8体を取り出す予定。
高浜原発では、3号機の燃料157体のうち28体がMOX燃料。2010年12月にプルサーマル発電を開始し、8体が福島第1原発事故後の停止などを挟んで通算約3年半の使用を終えた。新たなMOX燃料は現在製造に向けて調整中で、今回は通常のウラン燃料に替える。高浜4号機でもMOX燃料20体を使用している。
MOX燃料は、使用済みウラン燃料を再処理し、プルトニウムを取り出して再利用する「核燃料サイクル」の一環で使用が推進されてきた。しかし、使用済みMOX燃料は現在、国内に処理できる施設がなく、当面は原発敷地内の燃料プールで保管される。福井県は27日、経済産業省に、MOX燃料の処理や処分について具体的な方策を示すよう求める要請書を提出した。MOX燃料はウラン燃料より使用後の発熱量が大きく、管理上の危険を指摘する声もある。
高浜3号機は4月に原子炉を再起動させる予定だが、テロ対策などの特定重大事故等対処施設(特重施設)の建設が期限の8月に間に合わず、短期間で運転停止となる見通し。【中日新聞】