四国電力は十四日、定期検査中の伊方原発3号機(愛媛県伊方町)で、プルサーマル発電で使用し、取り出したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を公開した。午前十時十五分ごろ、既に取り出された二体のMOX燃料がプールに納められていた。十六日までに原子炉内のMOX燃料十六体と全てのウラン燃料を順次取り出し、MOX燃料は新たに五体装填(そうてん)する計画。
四国電は昨年十二月二十六日からの定検の一環で今月十三日、本格的なプルサーマル発電では全国で初めて、MOX燃料を取り出した。愛媛県の中村時広知事は十四日、使用済みMOX燃料について「安全な一時保管と計画的な搬出に向けた取り組みを求める」とコメントした。
政府や電力会社は、使用済みのウラン燃料を化学的に処理(再処理)し、プルトニウムを取り出し再利用する「核燃料サイクル」の一環として、普通の原発でMOX燃料を燃やすプルサーマルを推進している。だが再処理施設が国内になく搬出先は未定。四国電は当面、原発内のプールで保管するとした。使用済みMOX燃料は発熱量が大きいなどの特徴がある。取り出しは当初十三日午前零時ごろの予定だった。準備作業中の十二日、原子炉容器上部の燃料を固定する装置をクレーンで引き上げようとした際、制御棒一体が一緒につり上げられ、原子炉から約七時間引き抜かれるトラブルがあり遅れた。【東京新聞】