福島第一原子力発電所の事故の調査を再開した原子力規制委員会は、水素爆発を起こした3号機の内部の映像を公開しました。事故から9年近くがたったいまも一部で高い汚染が残っています。
福島第一原発3号機はおよそ9年前の事故の時、メルトダウンを起こして水素爆発し、原子炉の建物の上部が吹き飛びました。
ことし秋から事故原因の調査を再開した原子力規制委員会の検討会は爆発の状況などを調べるため今月12日に3号機の内部に入りました。
3号機は最上階の5階でがれき撤去が終わり、使用済み核燃料プールの中の燃料の取り出し作業が始まっていますが、その下の階はまだほとんど手付かずで映像には、機器やがれきが残ったままの様子が写っています。
そして1階から3階までくると先の階段が爆発の影響で壊れていて、4階には上がれない状況になっています。
また3階では、天井を支える「はり」が大きく曲がり、空気ダクトなども落下していて、最上階の5階付近で起きた爆発の威力が3階まで届いて、施設に影響を及ぼしたことが確認できます。
各階にはところどころに汚染が残り、特に2階の一部では時間当たり150ミリシーベルトと高い放射線量を測定するなどしていて、規制委員会は廃炉に向けて今後、除染作業が必要になるとしています。
規制委員会は事故の調査を今後も継続し、来年中をめどに報告書をまとめる予定です。【NHK】