巨大噴火が起きる前に、被害をうけるおそれがある原子力発電所を停止する方法を検討していた原子力規制委員会の審議会は、巨大噴火の予知は困難だとして、火山の監視を強化し早期に対応をとる方法について検討を進めることになりました。
原子力規制委員会は鹿児島県にある川内原発と佐賀県にある玄海原発について、九州電力に対して周辺にある5つのカルデラ火山で巨大噴火が起きないか監視するよう義務づけていますが、どういう兆候があったら事前に原発を停止するのか専門家でつくる審議会に検討を依頼していました。
これについて審議会は、巨大噴火の予知は現在の知見や技術では困難だという見解をこれまでにまとめていて、27日の会合では、火山の監視を強化し噴火の兆候を少しでも早く把握して、噴火が起きた際にはすぐに対応をとるための方法について意見が交わされました。
その結果、地殻変動の活発化や火山ガスの急激な変化など、複数のデータで変化が認められたタイミングで、原子力規制庁が電力会社に監視を強めるよう求めてはどうかといった案が提案されました。
審議会では、今後さらに議論を進め、監視強化の目安などルールについて、次回以降、報告書にまとめたいとしています。
これにより、カルデラ火山の巨大噴火を予知し事前に原発を停止しようという当初の審議会の議論は、現時点では方向転換をすることになりました。【NHK】