17日、大阪の知事と市長が、福島第1原発の汚染水を浄化した処理水に関し、大阪湾への放出受け入れの可能性を示唆したことについて、漁業関係者が抗議の声を上げている。
18日午前11時すぎ、大阪府漁連の会長は、大阪市住之江区にある大阪府の水産課に抗議文を提出した。
福島第1原子力発電所の汚染水を浄化した処理水をめぐっては、大阪市の松井一郎市長が、17日の会見で、安全性の根拠が示されれば、大阪湾への放出を受け入れる可能性を表明した。
大阪市・松井市長は「今の東北の汚染水は、処理済みのものですから。基準を下回っているものであれば、科学的根拠をきちっと示して処理すべきだと、海洋放出すべきだと思ってます」と話した。
また、大阪府の吉村洋文知事も、17日、「国が腹をくくって、大方針を決めないといけない」とコメントした。
処理水の処分方法については、現在、経済産業省の有識者小委員会による検討が続いていて、その議論の行方が注目されている。
松井市長の発言について、菅官房長官は、会見で「地方自治体の長の個々の発言に、政府の立場でコメントすることは差し控えたい」としたうえで、「まずは、(経済産業省の)小委員会において議論を尽くしていただいて、検討していきたい」と述べた。【FNN】