日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で17日、原子炉内の核燃料を取り出す作業が始まった。当初は7月の予定だったが、機器の不具合への対応などで延期していた。昨年8月に始まった炉外の貯蔵槽の核燃料の取り出しと併せ、廃炉作業が本格化する。
原子炉からの核燃料の取り出し作業はこの日午前、原子力機構の職員が機器を操作し、始まった。
原子力規制委員会が認可した廃炉計画では、2022年度までに、原子炉の370体と貯蔵槽の160体の計530体の核燃料を取り出す予定だ。建物や設備の解体を含めた廃炉作業の完了は47年度末の見込み。核燃料の処分方法や処分先は決まっていない。
18年8月に始まった貯蔵槽の核燃料をプールに移す作業は機器の不具合で相次いで中断した。19年1月までに移すことができたのは、目標(100体)を下回る86体となっている。
原子炉の核燃料の取り出しは機器の不具合の対応で、開始をいったん7月から10月に延期した。だが、準備が順調に進んだとして、予定を前倒ししてこの日の作業開始となった。
今後、原子炉内の核燃料を3回に分けて貯蔵槽に移し、貯蔵槽にある残りの燃料とともにプールに移す。【朝日新聞】