福島県は4日までに、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の記録や教訓を後世に伝えるため同県双葉町に建設中のアーカイブ拠点施設の名称を「東日本大震災・原子力災害伝承館」と決めた。
県は複合災害の教訓を国内外に発信し、災害対策などの人材育成の場としても活用する考え。2020年夏のオープンを目指している。
施設は地上3階建てで、敷地面積約3万5千平方メートル。六つのエリアに分かれ、原発事故発生直後の様子を実写映像で伝えたり、被災した実物資料を展示したりする。来場者が語り部から被災状況や復興に向けた取り組みなどを学べるようにもする。
内堀雅雄知事は2日の記者会見で「20年東京五輪・パラリンピックを視野に入れながら、オープンの準備を進めたい」と述べた。同施設と接するように復興祈念公園が整備される予定。
双葉町は全域で避難指示が続き、全体の96%が放射線量の高い帰還困難区域。施設が建設されている中野地区は残り4%の避難指示解除準備区域内にあり、町は20年3月末の避難指示解除を目指している。【共同通信】