韓国環境省は16日、廃プラスチックなどのリサイクル用廃棄物を日本とロシアから輸入する際、放射性物質の検査を強化すると発表した。日本による輸出規制強化への対抗措置の一環とみられる。韓国は8日に、火力発電の廃棄物「石炭灰」の放射性物質の検査強化を発表したばかり。
韓国外務省も13日に東京電力福島第1原発の処理水問題に対応していく考えを表明した。原発問題を持ち出し日本の動きをけん制したい韓国政府の立場が鮮明になってきた。
日本とロシアから輸入された廃プラスチックや廃タイヤなど3品目について、これまで3カ月に1回だった放射性物質の検査結果の点検を今後は1カ月に1回行う。聯合ニュースによると、従来も日本とロシアに限り検査を行っていたという。
韓国環境省によると、2018年の廃プラスチックの輸入先は日本のほか、米国やフィリピンなどで、計約16万6千トンのうち、日本が約6万6千トンだった。廃タイヤは計約24万トンのうち、日本は約6900トンだった。
先に検査強化方針が発表された石炭灰の輸入先はほぼ全量が日本のため、輸出規制強化への対抗措置との見方がより強い。【日本経済新聞】