原子力規制委員会の更田豊志委員長は10日の定例会合で、関西電力高浜原子力発電所1、2号機(福井県)の追加の津波対策に関連し「対策が終わるまで再稼働は認められない」との考えを示した。
地震以外で発生する津波の場合、警報が出ない可能性がある。インドネシアで2018年12月に発生した津波は、噴火の影響で山の一部が海に流れたのが原因で警報はなく、大きな被害が出た。規制委は高浜原発に対し、海底の地滑りで津波が起き警報も発表されない可能性があり、新たな対策を求めていた。
4基ある同原発で3、4号機はすでに再稼働している。新規制基準に基づく安全審査に合格した1、2号機は関電が現在安全対策工事中だ。終了後に1号機は20年6月ごろ、2号機は21年2月ごろに再稼働する見通しだ。
規制委の方針を受け、関電は9月に追加の津波対策を盛り込んだ原子炉設置変更許可の申請を出す予定だ。規制委の審査が長引いたり大がかりな対策が必要になったりすれば、再稼働の時期に影響する可能性がある。【日本経済新聞】