関西電力の原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、関電が昨年中に候補地を示す約束を果たせなかったことを受け、市民団体「若狭連帯行動ネットワーク(若狭ネット)」と「サヨナラ原発福井ネットワーク」は二十三日、県が関電に大飯原発3、4号機(おおい町)の運転停止を求めるよう西川一誠知事宛ての申し入れ書を提出した。
西川知事は大飯3、4号機の再稼働への同意に当たり、関電に中間貯蔵施設計画の具体化を要求。関電の岩根茂樹社長は二〇一七年十一月、「一八年中には具体的な計画地点を示したい」と時期を明言したが、同年中に示すことができず、謝罪に追い込まれた。
申し入れ書では「約束が守られなかった代償として大飯原発の運転停止を関電に求めるべきだ」と主張。高浜原発3、4号機についても、一部使用しているプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料は搬出先の計画が立っていないとして停止を求めるべきだとした。
両団体の五人が県庁を訪れ、県原子力安全対策課の担当者に申し入れ書を提出。若狭ネット資料室長の長沢啓行・大阪府立大名誉教授は「約束を破ってもおとがめなしという前例をつくれば、関電は今後も中間貯蔵の候補地を決められないまま原発の運転を続けるのではないか」と県の対応を批判した。【中日新聞】