国連安全保障理事会は15日、ロシア軍が占拠するウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所が相次いで無人機で攻撃された問題を受け、会合を開いた。ロシアとウクライナ双方が関与を否定し、非難の応酬となった。
会合は米国などが要請した。国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は冒頭、原発への攻撃を非難し、「我々は原発事故に危険なほど近づいている」と危機感を表明。その上で「事故のリスクを最小限に抑えるために全力を尽くさなければならない」と訴えた。だれが攻撃を実行したのかには、言及しなかった。
日米欧などは「問題の根源は侵略したロシア側にある」と批判した。ウクライナのセルギー・キスリツァ国連大使は、原発への攻撃について「ロシアによって綿密に計画された(敵の攻撃だと偽装する)偽旗作戦だ」と訴えた。ザポリージャ原発について「ウクライナの完全な管理下に戻すことが安全を確保する唯一の方法だ」と強調した。
一方、ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は「ウクライナが(米欧など)西側諸国と共謀して行った無責任で無謀な攻撃だ」と主張した。【読売新聞】