原子力の研究開発に反対する勢力として昇任や異動などに関わる差別的扱いを受けたとして、動力炉・核燃料開発事業団(動燃、現・日本原子力研究開発機構)の元従業員ら6人が同機構に約1億6000万円の損害賠償を求めた訴訟で、水戸地裁(広沢諭裁判長)は14日、同機構に計約4700万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
判決によると、動燃は1981年頃から、原子力の研究開発の推進を批判する原告らを反対する勢力などとみなしてランク付けし、それに応じて昇任を認めなかったり、遠方に異動させたりするなど、差別的扱いをした。
判決で広沢裁判長は、原告とは別の元従業員が、差別の実態について書き残していた資料を「信用性が認められる」と指摘し、差別的な扱いがあったと認定した。ただ、原告のうち1人については、時効で賠償請求権が消滅しているとして請求を棄却した。
判決を受け、原告団は「被告には早期に姿勢を正して解決策を考えてほしい」と述べ、控訴について検討する姿勢を見せた。同機構は「コメントは差し控える」としている。
【読売新聞】