政府が脱炭素社会の実現などのために原子力発電の最大限の活用を目指すなか、西村経済産業大臣は、中部電力の浜岡原子力発電所を視察し、再稼働に向けて会社側に対し安全対策に万全を期すよう要請しました。
政府は、ロシアによるウクライナ侵攻などを背景にエネルギーの安定供給と脱炭素社会の実現の両立を目指し、安全を最優先にして原発の再稼働を進める方針です。
こうした中、西村経済産業大臣は4日、原子力規制委員会によって再稼働の前提となる審査が進められている静岡県の中部電力の浜岡原子力発電所を視察しました。
西村大臣は、中部電力の幹部などから津波対策として建設された高さ22メートルの「防波壁」の説明を受けたあと、会社側に安全対策に万全を期すよう要請していました。
また、西村大臣は愛知県にあるトヨタ自動車の工場も訪れ、3年後に投入が計画されている次世代のEV=電気自動車の車体の構造や生産手法などの説明を受けました。
一連の視察を終えたあと、西村大臣は記者団の取材に対し「浜岡原発の安全対策は着実に進んでいると思うが、さらに規制委員会の審査があるので、しっかり対応するようにと中部電力には伝えた。再稼働にあたっては地元の理解を得ながら進めていきたい」と述べました。【NHK】